最強の王子は花売り娘に恋をする

「まあ、そうですか、デレクさん大事にして下さっているんですね。嬉しいです」

「それからお母さんが亡くなってしまって、でもジュリとエドガーが2人で頑張っているのを見て僕も勇気を貰ってる。決して弱音を吐かないジュリはすごいと思うよ。二人といると素の自分になれる。何も飾らないで王子という立場も忘れて孤独にさいなまれることもない。ジュリとエドガーの存在が僕の心の支えなんだ」

「でも本当にいいんでしょうか?この国の王子様の事をフレデイなんて気安く呼んで、市場の利権も買ってもらって助けてくれて…どうしたらいいのか…」

「ジュリ、助けてもらってるのは僕だよ。ジュリが大好きなんだ。一生一緒に居たいと思うほど好きなんだ。でもジュリは迷惑だろうか?」

「迷惑だなんてそんな事ありません。私もフレデイが好きだから…」

と小さな声でジュリエッタが呟いた。

「本当?」

フレデリックは嬉しくて胸の奥で花火が上がったような気持だった。

ソファーのジュリエッタの隣に行くと彼女をそっと抱きしめた。

ジュリエッタの腕がためらいながらもフレデリックの背中に回ると喜びは倍増した。

ジュリエッタもフレデリックをだきしめてくれているのだ。

「ジュリありがとう。今はただのフレデイでいいんだ。フレデイの恋人になってくれるね?第一王子だと言う立場はその内考えて行こう。今はただジュリとフレデイとエドガーの3人の関係で家族のように思えたら僕はそれが一番うれしい」

「わかった。エドガーには今はまだ言わないでおくね。言ってもきっとわからないと思う」

「うん、ジュリに任せるよ。またジュリの料理を食べに行ってもいい?すごくおいしくて心があったまるんだ」

「うん、できたら市場が休みの日に来て」

「じゃあ今日は?」

「ええっ?せっかちねフレデイ」

ジュリエッタは“ウフフ”と、もういつもの笑顔で笑っていた。

フレデリックは安心して

「だって、ジュリが恋人になってくれたんだから舞い上がっちゃうよ」

「わかったわ。お仕事終わったら来てね。待ってる」

フレデリックは門までジュリエッタを送っていった。

それからのフレデリックは毎日幸せそうにいつも微笑んでいた。

周りの騎士たちは氷のフレデリック王子が微笑んでいるのを見て少し緊張が解けたようで、話しかけてくる部下が増えた。

デレクはフレデリックがジュリエッタにきちんと話してジュリエッタも受け入れてくれたと聞いて喜んだ。