最強の王子は花売り娘に恋をする

フレデリックは王宮の自分の執務室で書類仕事をしていた。

要らないと言ってもジュリエッタが毎月返済してくれるお金がある。

それをずっとジュリエッタトエドガーの為にためて置いている。

何かの時にお金がいることもあるだろう。そのための貯えだ。

2人にはそこまでの余裕はない。

2人の生活は質素だ。

全く贅沢はしていない。

ジュリエッタは店から帰って来て食事も自分で作る。

この頃はエドガーも簡単な物なら作れるようになったそうだ。

だからとても助かっているとジュリエッタはニコニコして言っていた。

ジュリエッタは自分の服は買わない。

母親の来ていた服を直して少し飾りを足したりして工夫して可愛く手直ししてきているのだ。

”だから裁縫も上手になったのよ“そう言っておおらかに笑っている。

エドガーは育ち盛りだからすぐに服が小さくなるので、エドガーの服は買い替えなくてはならない。

だから自分の服は買わずに工夫して着ているのだ。

フレデリックはジュリエッタに可愛い綺麗な服を買ってあげたいが、そこまでするのは躊躇われた。

ジュリエッタはそう言う事には一線を引いている。

なるべく人に頼らず自分で自立して生きて行こうとしているのだ。

だからジュリエッタの誕生日くらいしかプレゼントは贈れない。

そんな名目があればジュリエッタも受け取ってくれる。

フレデリックは半年後には20歳になる。そうなれば王族の公務も今の倍くらいになるだろう。

今まで避けていた夜会や王宮主催のパーテイなどにも出席しなくてはいけなくなるだろう。

お酒や葉巻や女性が着ける香水の匂いでむせ返った夜会などは吐き気がしてきて、本当に出たくないのだ。

女性からのストレートな誘いにも辟易する。

公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、貴族にも順位がある。

声を掛けてくるのは伯爵迄の家の娘だ。

王子の婚約者には身分がいるようだ。知るか!