最強の王子は花売り娘に恋をする

3週間前
ジュリエッタとエドガーは帰りが遅い母親を心配していたのだ。

そうしたら隣のおばさんが中央市場が燃えていると教えに来てくれてジュリエッタとエドガーは大急ぎで中央市場迄走って行ったのだ。

そこはまだ煙がくすぶり大きな穴の開いた天井から、消火にかけられた水がぽたぽたと落ちていた。

母の店はちょうど中ほどにあり、中に入っていこうとしたが消火に当たっていた人に止められた。

「母が、母の店がこの中にあるんです。母がまだ帰ってこなくて怪我でもしていないか心配なんです。見に行かせてください」

そう言ってその人に縋り付いた。その人は

「可哀そうに、だが多分助からなかったんだと思う。中央部分が一番ひどかったんだ。今遺体を搬送する所だからちょっと待ってな」

その人が中に入って聞いてきてくれた。

5人がなくなっていて焼けた所は何の店だったかもわからない位ひどかったようだ。

ジュリエッタとエドガーは、祈る気持ちで待っていたが、やはり母は亡くなっていた。

母の遺体を前に2人は呆然としてどうしていいかもわからなかった。

顔は煤に汚れていたが、体にも焼けたような跡はなかった。

“きっと煙にやられたんだろう”と消火に当たっていた人が言った。

ジュリエッタはとにかく自分がしっかりしなくてはと、家まで母の遺体を運んでもらった。

近所の人に助けられて何とか母の葬式を出して5年前に亡くなった父の隣に母を埋葬することができた。

母亡き後、エドガーと二人でどうしたらいいのかわからなかった。

母はしっかりした人で花屋を経営していくだけでなく色々考えているようだった。

ジュリエッタに王都の公園の前に花屋の屋台を出させたのもその一つで、かなりのプラスになっていた。

ジュリエッタはエドガーを一人前にしなければならない。

両親は2人とも隣国のオキシアン共和国の出身でこの国には親戚もいない。

2人には頼れる人は誰もいなかったのだ。

もうあと半年で学校も卒業できる。

そうしたら母の跡を継いで市場で花屋をやっていければ何とか生活はできるはずだ。