「ねぇ、これから大怪我するのわかってる
んだから、いまから血を確保してもらえない
かな?」
突拍子もないことを言うと大翔が「はっ?」
と苦笑いする。
「これから大怪我するってどうやって説明
すんの?そんな心配しなくても血液センター
に登録してるから、俺の血は確保できるけど」
「本当に?」
「うん。稀血の人って血液センターに登録
してる人多くてさ、手術で輸血が必要な時は
連絡来るらしいんだよね。お互い助け合いま
しょう精神っていうの?まだ俺のとこに連絡
来たことないけど」
「なんか嫌な予感しかしないなぁ。本当に
大丈夫なのかなぁ」
一度胸に広がった染みはなかなか消えない。
大翔は心配ないって言うけど、心配しかない。
深刻な顔をしてぐるぐると考え込んでいると、
温かな手がぽんと肩に乗った。
「そんなに心配なら文化祭来る?」
「へっ、なんで?」
「なんでって、文化祭来れば鷲塚さんの手
を握れるじゃん」
「なるほど、それいいね」
そっか、その手があった。鷲塚さんが同じ
写真部だということをすっかり忘れていたわ
たしは、大翔の提案に二つ返事で頷く。文化
祭に行って写真部に足を運べば、偶然を装っ
て鷲塚さんと再会できる。手だって、握れる。
これって、渡りに船じゃない?
タイミングよく文化祭が開催されることに
運命を感じて、思わずガッツポーズをしてい
ると、隣からすっと手が差し出された。
「なに?」
「いや、せっかくだから鷲塚さんの前に俺
の手、もう一度握ってみれば?と思って」
肩に触れていた手が「ん」とわたしに近づ
いてくる。一瞬、戸惑ったけれどそれもそう
だな、と思いわたしは頷いた。大翔の手を握
って直接未来を視るのも、鷲塚さんを通して
間接的に視るのも、手掛かりを掴むための手
段としてはどちらも変わらない。
んだから、いまから血を確保してもらえない
かな?」
突拍子もないことを言うと大翔が「はっ?」
と苦笑いする。
「これから大怪我するってどうやって説明
すんの?そんな心配しなくても血液センター
に登録してるから、俺の血は確保できるけど」
「本当に?」
「うん。稀血の人って血液センターに登録
してる人多くてさ、手術で輸血が必要な時は
連絡来るらしいんだよね。お互い助け合いま
しょう精神っていうの?まだ俺のとこに連絡
来たことないけど」
「なんか嫌な予感しかしないなぁ。本当に
大丈夫なのかなぁ」
一度胸に広がった染みはなかなか消えない。
大翔は心配ないって言うけど、心配しかない。
深刻な顔をしてぐるぐると考え込んでいると、
温かな手がぽんと肩に乗った。
「そんなに心配なら文化祭来る?」
「へっ、なんで?」
「なんでって、文化祭来れば鷲塚さんの手
を握れるじゃん」
「なるほど、それいいね」
そっか、その手があった。鷲塚さんが同じ
写真部だということをすっかり忘れていたわ
たしは、大翔の提案に二つ返事で頷く。文化
祭に行って写真部に足を運べば、偶然を装っ
て鷲塚さんと再会できる。手だって、握れる。
これって、渡りに船じゃない?
タイミングよく文化祭が開催されることに
運命を感じて、思わずガッツポーズをしてい
ると、隣からすっと手が差し出された。
「なに?」
「いや、せっかくだから鷲塚さんの前に俺
の手、もう一度握ってみれば?と思って」
肩に触れていた手が「ん」とわたしに近づ
いてくる。一瞬、戸惑ったけれどそれもそう
だな、と思いわたしは頷いた。大翔の手を握
って直接未来を視るのも、鷲塚さんを通して
間接的に視るのも、手掛かりを掴むための手
段としてはどちらも変わらない。



