狐面の君と、神隠しの夏

「ねーぇー!」

「あははっ!」


初夏。

青空が広がる、この田舎には田畑が広がって…。



あちこちから早くも虫の声があふれる。
蚊取り線香の香りと、たまに揺れる風鈴の音。



小さい子たちの虫取りに走る足音と、無邪気な笑い声を聞きながら…あ、人がいるなぁ。なんて、当たり前のことを考える。

まだ夏休みにも入っていない、テスト期間。と言っても、課題を前に私は畳に寝転がる。


「暇だなぁ…。」


正確には暇じゃないんだけど。

何か、面白いことないかなぁ。


「暇だなぁじゃないでしょう。

勉強は?」


お母さんに声をかけられる。


「…わかってるよぉ。

でもさぁー…。」

「まったく…。

ほら、お昼。」


季節感もあいまいなこの時期。

でもうちはそうめんだ。



これからそうめん祭りだっていうのに…。


「…そーめん。」

「あ、天かすとネギあるわよ。

あと紅生姜。」


薬味だけは多いんだから…。

まだ初夏なんだって。

夏本番はどうなることやら。


「あついー…。」

「そうめんは冷たいわよ?」

「そうじゃない…。」