狐面の君と、神隠しの夏

…自分のせい、だもんね。

ほんと、下手なことしなければよかった。



…はぁ。


「あのー…。」

「…着替え終わったか?」


戸を開くと彼は待っていた。


「…帯、結べなぃ…。」

「…ま、普段あの服だしな。

ん、結ぶ。貸せ。」

「!…はい。」


…普段から着てるから、手際よく結ばれていく。

…これからここでどれぐらい過ごすのかなぁ。



帰るころには自分で着れるようになってるのかなぁ。

帰れるの、かな。


「なんか、大人しくなったな。」

「え?」

「ん、できた。

大丈夫だな。」

「…ありがとう。


ん~…なんか、ねぇ。冷静になっちゃうと。」

「…。」


…。

自業自得なのに何言ってるんだろう。


「…ちゃんとタイミング見て帰すから大丈夫だ。」

「…ん。」

「…。」


…大丈夫、だよね。

味方、してくれてるし…。


「あと、悪いけど…これしてくれ。」

「面?」


彼が持っていたのは…


「あ…!」


現世…にいたころ、彼がつけていたような半狐の面。