狐面の君と、神隠しの夏

『おばあちゃん!』

『ん~?

なぁに?』

『きつねさんのお話して!』

『そうねぇ。

じゃあ、狐の嫁入りのお話をしよっか。』

『きつねのよめいり!』



―夏のはじまりのころに、いいお天気なのに雨が降ってくることがあるでしょう?

あれを「狐の嫁入り」っていうことがあるんだよ。



あともう一つ。

夕方の山に、点々と灯りが並んでいることがあるの。

それはね、狐の嫁入りなんだよ。

狐さんが、お嫁にいくの。



でもね、見てはいけないよ―



『おばあちゃんは、見たことある?』

『ん~?

おばあちゃんはね―』