雨の日に傘をくれたのは、誰もが恐れる最強の鬼でした。

旅館に戻り、贅沢な京会席をいただいた後、いよいよ夜の時間がやってきた。
大きなお部屋に敷かれたフカフカのお布団。
「みんなー、今日はたくさん歩いたから、もうねんねしようね?」
私が子供たちに声をかけると、3歳にして最強の遺伝子と、アジトでの「英才教育(?)」を受けてきた子供たちは、信じられないほど迅速に動いた。
「うん! 楓、もう眠いから寝る! おやすみママ!」
「椿も……。パパ、ママのこと、いっぱい可愛がってあげてね……」
双子のイケメン兄妹は、なんと自分たちで率先して布団に入ると、きゅっと目を閉じて、一瞬で「すぅすぅ……」と完璧な寝たふり(空気読みモード)を始めたの!
パパっ子の桜ちゃんも、柚ちゃんの小さなおててを握りながら「おやすみなちゃい♪」と、これまた完璧に狸寝入り。
「……ふっ、あいつら、随分と聞き分けが良くなったじゃねぇか」
子供たちが完全に空気を読んだのを確信した流星くんの瞳に、一瞬でパパの顔から「一人の男」としての、低く濁った熱いハントモードの光が灯った。

流星くんは私の浴衣の帯を、長い指先でゆっくりと、だけど独占欲を隠しきれない強さでハラリと解いていく。
「あ、ん……っ、流星、くん……、子供たちがすぐ隣にいるよ……っ」
「律が防音の結界(特殊な遮音システム)を仕込んでるから大丈夫だ。美李愛……毎日抱いてるのに、浴衣姿のお前を見たら、もう我慢できねぇ……っ!」
シャツを脱ぎ捨て、引き締まった逞しい胸板が私の素肌にぴったりと重なり、京の静寂な夜の中に、シーツと浴衣が激しく擦れ合う生々しい音が響き渡る。
お腹の底がキュンと甘く疼き、流星くんの熱いピストンが、日に日に増していった激しさをさらに超えて、私の最奥へと何度も何度も深く突き込まれていく。
「あ、は……っ、流星、くん……、あつい、すごい……頭が溶けちゃう……っ!」
「声、我慢すんなよ……。お前の可愛い喘ぎ声、全部俺の耳だけに注ぎ込め……っ!  愛してる、美李愛、愛してる……っ。愛してる!」
繋がったまま、何度も激しい口づけを交わし、私たちは子供たちが寝たふりをしてくれているすぐ横で、夜が明けるまで何度も何度も深く蕩け合い、極上の愛の海へと溺れていくのだった。