「……ん……っ」
かすかに漂う、煙草と上品な紅茶が混ざったような大人の匂い。
ゆっくりと目を開けると、そこは見覚えのない、シックで高級感のあるホテルのような部屋だった。
私はフカフカの大きなソファに横たえられ、温かい毛布に包まれていた。
「あ、起きた? 流星が女の子を抱えて帰ってきたから、マジで天変地異かと思ったよ」
突然上から降ってきた明るい声に、心臓が跳ね上がる。
驚いて体を起こすと、そこにはタイプの違う三人の超絶イケメンが、私をじっと見つめていた。
「わ、見てよ碧、律! めちゃくちゃ可愛い! っていうか、可愛すぎるでしょ。芸能人?」
最初に声をかけてきたのは、明るいインナーカラーにピアスをいくつもつけた、モデル体型の男の子。
彼が、チームの特攻隊長・蓮くんだった。
「蓮、騒ぐな。彼女が怯えている」
低く冷たい、だけど綺麗な声で蓮くんを嗜めたのは、黒髪マッシュで切れ長の目をした男の子。彼こそが、冷徹な副総長・碧くん。
彼はそっと私に近づくと、値踏みするような視線を向けた……けれど、私の顔を間近で見た瞬間、その美しい瞳が大きく見開かれた。
「……っ。お前、本当に流星が拾ってきたのか……?」
いつも冷静なはずの碧くんの手が、かすかに震えている。
「ふふ、二人とも、そんなに詰め寄ったら可哀想ですよ。はい、温かいココアです。これを飲めば、少しは落ち着きますよ」
メガネの奥の優しい瞳を細めて、私にマグカップを差し出してくれたのは、チームの頭脳でありお世話係の律くんだった。
「あ……あの、ありがとうございます……。ここは……?」
「俺のアジトだ」
部屋の奥から足音がして、振り返ると、髪を少し濡らした流星くんが歩いてくるところだった。
濡れた私の服は、なぜか律くんが用意してくれた大きめのパーカーに着替えさせられている。
「流星! この子、誰!? マジで世界一可愛いんだけど! 俺、一目惚れしちゃった。ねえ、名前なんていうの? 俺、蓮!」
蓮くんが座るソファにグイッと身を乗り出して、私の顔を覗き込んでくる。距離が近くて赤面してしまう私を見て、碧くんが舌打ちをした。
「蓮、離れろ。……おい、お前。名前は?」
「み……美李愛、です……」
「美李愛、か。綺麗な名前だ。流星、この子はただ者じゃない。……誰にも渡さない方がいい。いや、俺が渡したくない」
碧くんがぽつりと、だけど熱い独占欲を孕んだ声で呟く。
「おや、碧までそんなことを言うなんて珍しいですね。でも、僕も同意見です。美李愛さん、あなたを傷つけた奴がいるなら、僕がすべてを駆使して奈落に突き落としてあげますよ?」
律くんが穏やかに微笑みながら、どこかゾッとするような危険な色気で私の手首をそっと握った。
「おい、お前ら。俺の女に勝手に触んじゃねぇよ」
部屋の空気をピシャリと制したのは、流星くんの圧倒的な低い声だった。
流星くんは迷いのない足取りで私に近づくと、蓮くんと律くんを押しのけて、私の隣にどっかと腰を下ろした。
そして、私の肩をガシッと抱き寄せ、自分の胸元に引き寄せる。
「美李愛は俺が拾った。指一本触れるな」
「えー! 流星のケチ! でも俺、諦めないからね?」と笑う蓮くん。
「ふっ、流星がそこまで執着するなんてね。面白い」と不敵に笑う碧くん。
「僕も、簡単には引き下がりませんよ」とメガネを押し上げる律くん。
誰もが恐れる「最強の鬼」とその側近たち。
そんな最高峰の男たちが、いま、私を巡って静かに火花を散らしている。
妹の影に隠れ、元カレに捨てられた私。
そんな私のため(???)に、世界で一番危険で、世界で一番甘い、奪い合いが始まろうとしていた――。
かすかに漂う、煙草と上品な紅茶が混ざったような大人の匂い。
ゆっくりと目を開けると、そこは見覚えのない、シックで高級感のあるホテルのような部屋だった。
私はフカフカの大きなソファに横たえられ、温かい毛布に包まれていた。
「あ、起きた? 流星が女の子を抱えて帰ってきたから、マジで天変地異かと思ったよ」
突然上から降ってきた明るい声に、心臓が跳ね上がる。
驚いて体を起こすと、そこにはタイプの違う三人の超絶イケメンが、私をじっと見つめていた。
「わ、見てよ碧、律! めちゃくちゃ可愛い! っていうか、可愛すぎるでしょ。芸能人?」
最初に声をかけてきたのは、明るいインナーカラーにピアスをいくつもつけた、モデル体型の男の子。
彼が、チームの特攻隊長・蓮くんだった。
「蓮、騒ぐな。彼女が怯えている」
低く冷たい、だけど綺麗な声で蓮くんを嗜めたのは、黒髪マッシュで切れ長の目をした男の子。彼こそが、冷徹な副総長・碧くん。
彼はそっと私に近づくと、値踏みするような視線を向けた……けれど、私の顔を間近で見た瞬間、その美しい瞳が大きく見開かれた。
「……っ。お前、本当に流星が拾ってきたのか……?」
いつも冷静なはずの碧くんの手が、かすかに震えている。
「ふふ、二人とも、そんなに詰め寄ったら可哀想ですよ。はい、温かいココアです。これを飲めば、少しは落ち着きますよ」
メガネの奥の優しい瞳を細めて、私にマグカップを差し出してくれたのは、チームの頭脳でありお世話係の律くんだった。
「あ……あの、ありがとうございます……。ここは……?」
「俺のアジトだ」
部屋の奥から足音がして、振り返ると、髪を少し濡らした流星くんが歩いてくるところだった。
濡れた私の服は、なぜか律くんが用意してくれた大きめのパーカーに着替えさせられている。
「流星! この子、誰!? マジで世界一可愛いんだけど! 俺、一目惚れしちゃった。ねえ、名前なんていうの? 俺、蓮!」
蓮くんが座るソファにグイッと身を乗り出して、私の顔を覗き込んでくる。距離が近くて赤面してしまう私を見て、碧くんが舌打ちをした。
「蓮、離れろ。……おい、お前。名前は?」
「み……美李愛、です……」
「美李愛、か。綺麗な名前だ。流星、この子はただ者じゃない。……誰にも渡さない方がいい。いや、俺が渡したくない」
碧くんがぽつりと、だけど熱い独占欲を孕んだ声で呟く。
「おや、碧までそんなことを言うなんて珍しいですね。でも、僕も同意見です。美李愛さん、あなたを傷つけた奴がいるなら、僕がすべてを駆使して奈落に突き落としてあげますよ?」
律くんが穏やかに微笑みながら、どこかゾッとするような危険な色気で私の手首をそっと握った。
「おい、お前ら。俺の女に勝手に触んじゃねぇよ」
部屋の空気をピシャリと制したのは、流星くんの圧倒的な低い声だった。
流星くんは迷いのない足取りで私に近づくと、蓮くんと律くんを押しのけて、私の隣にどっかと腰を下ろした。
そして、私の肩をガシッと抱き寄せ、自分の胸元に引き寄せる。
「美李愛は俺が拾った。指一本触れるな」
「えー! 流星のケチ! でも俺、諦めないからね?」と笑う蓮くん。
「ふっ、流星がそこまで執着するなんてね。面白い」と不敵に笑う碧くん。
「僕も、簡単には引き下がりませんよ」とメガネを押し上げる律くん。
誰もが恐れる「最強の鬼」とその側近たち。
そんな最高峰の男たちが、いま、私を巡って静かに火花を散らしている。
妹の影に隠れ、元カレに捨てられた私。
そんな私のため(???)に、世界で一番危険で、世界で一番甘い、奪い合いが始まろうとしていた――。



