子供たちに秘密の時間を邪魔されつつも、どこまでも甘く、温かい光に満ちていた私たちのアジト。
けれど、幸せの絶頂にいる私を奈落の底へ突き落とすための悪魔の足音は、静かに、だけど確実に近づいていたの。
――それは、流星くんが裏社会の緊急会合から戻った、ある嵐の夜のこと。
「流星くん、おかえりなさ……え?」
寝室のドアの少しの隙間から見えたものに、私の身体は凍りついた。
そこにいたのは、とっくに自滅して消えたはずの妹――真李愛だった。
真李愛は、かつて私から颯太くんを奪った時と同じ、あの甘ったるくて、ぞっとするほど卑しい笑みを浮かべていた。
しかも、その真李愛の細い身体の下には、あの絶対的な最強の鬼であるはずの流星くんが、信じられないことに虚ろな目でベッドに組み敷かれていたの。
「ねぇ、流星さん……。私の方が、お姉ちゃんよりずっと可愛いでしょ? 私だけを見て……?」
「あ……、ま、りあ……。お前、が……おれの……」
シーツが擦れる生々しい音。流星くんの口から漏れる、聞いたこともないような掠れた甘い声。
頭が真っ白になった。心臓がドクドクと暴れ、あの颯太くんに裏切られた夜のトラウマが、鮮明なフラッシュバックとなって私を襲う。
(嘘……。流星くんまで、やっぱり私じゃなくて、真李愛を選ぶの……?)
「……ぁ」
声にならない悲鳴を漏らした私に、真李愛は勝ち誇ったような、狂気に満ちた目を向けた。
「あら、お姉ちゃん。お邪魔虫は消えてくれる? ほら、流星さんも私に夢中なの」
流星くんの目は完全に失い、まるで操り人形のように真李愛だけを見つめている。
私は絶望のあまり、その場から泣きながら走り去ってしまった。
やっぱり私は日陰の存在。流星くんの愛も、全部私の勘違いだったんだ――。
けれど、幸せの絶頂にいる私を奈落の底へ突き落とすための悪魔の足音は、静かに、だけど確実に近づいていたの。
――それは、流星くんが裏社会の緊急会合から戻った、ある嵐の夜のこと。
「流星くん、おかえりなさ……え?」
寝室のドアの少しの隙間から見えたものに、私の身体は凍りついた。
そこにいたのは、とっくに自滅して消えたはずの妹――真李愛だった。
真李愛は、かつて私から颯太くんを奪った時と同じ、あの甘ったるくて、ぞっとするほど卑しい笑みを浮かべていた。
しかも、その真李愛の細い身体の下には、あの絶対的な最強の鬼であるはずの流星くんが、信じられないことに虚ろな目でベッドに組み敷かれていたの。
「ねぇ、流星さん……。私の方が、お姉ちゃんよりずっと可愛いでしょ? 私だけを見て……?」
「あ……、ま、りあ……。お前、が……おれの……」
シーツが擦れる生々しい音。流星くんの口から漏れる、聞いたこともないような掠れた甘い声。
頭が真っ白になった。心臓がドクドクと暴れ、あの颯太くんに裏切られた夜のトラウマが、鮮明なフラッシュバックとなって私を襲う。
(嘘……。流星くんまで、やっぱり私じゃなくて、真李愛を選ぶの……?)
「……ぁ」
声にならない悲鳴を漏らした私に、真李愛は勝ち誇ったような、狂気に満ちた目を向けた。
「あら、お姉ちゃん。お邪魔虫は消えてくれる? ほら、流星さんも私に夢中なの」
流星くんの目は完全に失い、まるで操り人形のように真李愛だけを見つめている。
私は絶望のあまり、その場から泣きながら走り去ってしまった。
やっぱり私は日陰の存在。流星くんの愛も、全部私の勘違いだったんだ――。



