雨の日に傘をくれたのは、誰もが恐れる最強の鬼でした。

ハネムーンでのあの甘くて情熱的な夜から数ヶ月。
私の体調に再びあの懐かしい変化が訪れ、病院での検査を終えた私は、幸せな確信を持ってアジトへ戻ってきた。
「ただいま、美李愛! 身体は大丈夫か? どこも痛くないか!?」
仕事から帰ってくるなり、21歳になって大人の色気と覇気がさらに増した流星くんが、過保護全開で私を抱きしめる。
私は彼の耳元で、そっと微笑みながら告げた。
「流星くん……。やっぱり、赤ちゃん授かってたよ。今、妊娠3ヶ月だって」
「っ……! 本当か……っ! 美李愛、ありがとな……!」
嬉しさのあまり私を抱き上げる流星くんの首に手を回しながら、私は気になっていたことを聞いてみる。
「ねえ、流星くん。今度の赤ちゃん、男の子と女の子、どっちがいいと思う……?」
流星くんは少し真剣な顔をして私の顔を見つめ、それから私のまだ平らなお腹に優しく手を当てた。
「どっちでも、俺とお前の子供なら命がけで愛する。……だけど、強いて言うなら……また『女の子』がいいな。桜みたいに、美李愛に似て世界一可愛いお姫様がもう1人増えたら、俺、嬉しすぎてどうにかなっちまいそうだ」
「ふふ、じゃあ可愛い女の子だといいね。お兄ちゃんたちも、きっと大喜びで守ってくれるよ」
幸せな会話の最中、流星くんの瞳の奥に、パパの顔から「一人の男」としての、低く濁った熱い光が灯るのが分かった。
「……なぁ、美李愛。安定期までまだ少しあるのは分かってる。だけど、お前が愛おしすぎて、もう限界だ……。優しくするから、俺に触らせてくれ……」
「流星くん……っ」
三つ子たちが蓮くんたちと別室で遊んでいるのをいいことに、流星くんは私をお姫様抱っこして、鍵をかけた寝室のベッドへと優しく誘った。
日常の育児を忘れ、静まり返った部屋。
流星くんの大きな手が、私の衣服をゆっくりと、だけど独占欲を隠しきれない強さで脱がせていく。
「あ、ん……っ、流星、くん……、お腹、気をつけて……っ」
「分かってる……。壊れ物を扱うみたいに、世界一優しく抱いてやるから……」
シャツを脱ぎ捨て、逞しい胸板を私の素肌にそっと重ね合わせた流星くんは、私の唇を甘く、深く、何度も吸い上げるように塞いだ。
妊娠初期の過敏な身体に、流星くんの熱い指先が触れるたび、甘美な痺れが全身を駆け巡る。
激しく動けない分、お互いの肌と肌がぴったりと密着し、愛の言葉を囁き合いながら、私たちは何度も、何度も、心も身体も深く蕩け合うような極上の時間を重ねていくのだった。