雨の日に傘をくれたのは、誰もが恐れる最強の鬼でした。

三つ子(楓、椿、桜)が無事に1歳を迎えた頃。
「美李愛、これまで育児ばっかで苦労かけたな。二人の時間をプレゼントする」
律先輩たちが完璧に手配してくれた、南国のプライベートビーチ付き最高級リゾートへ、私たちはハネムーンにやってきていた。
三つ子たちは「僕たちが命にかえてもお世話します」という律先輩、碧先輩、蓮くんの三人にアジトで預かってもらっている。
「わあ……! 海がすっごく綺麗……!」
青い海をバックに、私は律先輩が選んでくれた、純白のフリルがついた少し大胆なビキニ水着に着替えてビーチへ出た。
前髪を完全にアップにし、ハネムーン仕様のメイクを施した私の姿は、自分で言うのも恥ずかしいくらい、周囲の視線を釘付けにしてしまった。
「おい、なんだあの超絶美少女……! モデルか!?」
「隣の男、めちゃくちゃ怖そうだけど、彼女が可愛すぎる……っ!」
ビーチにいた外国人セレブや観光客たちが、一斉に私をガチで見つめてざわつきだす。
その瞬間、私の隣にいた流星くんの空気が一変した。完全に「鬼の目」になり、凄まじい地響きのような殺気が周囲に放たれる。
「……おい、どいつもこいつも俺の女を色目使って見てんじゃねぇよ。ぶっ殺すぞ」
流星くんは大きなバスタオルをバサッと私に巻き付けると、私の腰をグイッと引き寄せ、周囲をギロリと睨みつけた。
観光客たちが恐怖で一斉に悲鳴を上げて逃げ出す。
「流星くん、そんなに怒らなくても……っ」
「怒るに決まってんだろ! お前が綺麗すぎるのが悪い。……あいつらの目を全部くり抜いてやりたいくらいだ」
真っ赤になって嫉妬を爆発させる流星くんが愛おしくて、私は彼の首に腕を回して、そっと唇を重ねた。
「私は、流星くんだけのものですよ?」
その言葉が、流星くんの理性を完全に消し飛ばした。
「……美李愛。もうビーチなんてどうでもいい。部屋に戻るぞ」
お姫様抱っこで最高級スイートルームのベッドへ運ばれた私は、南国の熱い風が吹き抜ける中、流星くんから激しいお仕置き(愛の囁き)を受けることになった。
「あ、ん……っ、流星、くん……、激しい……っ」
「美李愛、愛してる……! 楓たちにお兄ちゃんかお姉ちゃんを作ってやろう。俺たちの愛を、もっともっと増やそうな……」
シャツを脱ぎ捨てた流星くんの熱い鼓動が私に重なり、シーツが激しく擦れ合う。
ハネムーンの甘く情熱的な夜の中で、私たちは二度目の子作りのため、何度も何度も深く、激しく愛を溶け合わせ、お腹の中にまた新たな小さな命の奇跡を授かるのだった――。