「それで? マナは?」
トンネルを抜け、再び街の夜景が広がったところで聞き返された。
「うーんとね。ゾンビゲームで、私を誤射して笑ってたとき」
それは、彼に誘われて行ったゲームセンターでのこと。
私が昔から得意だったシューティングゲームを二人でプレイしていたとき、ハルが誤って私のキャラクターを撃ち抜いた。
『……おまえがゾンビに見えたんだよっ』
普段は落ち着き払っている彼が、目を思いきり細めながら爆笑するのを見て、なぜか胸の奥がギュッと苦しくなった。
あのとき、ついに自分が何かに落ちる音が聞こえた気がする。
ハルは私が「可愛い」と言うといつも怒るけれど、決して子ども扱いしているわけではない。
「可愛い」と思うのは、愛おしさで心が鷲掴みされるような感覚をおぼえたときだ。



