◇
サロンではまだ若手の方である私は、いつもなら閉店後の片付けを担うところだが、特別に早上がりをもらっていた。
週末で休みこそ取れなかったものの、今日は――二回目の結婚記念日なのだ。
湿気が肌にまとわりつく、夜八時の都心。
先に店を出て待つ、ハルの元へ急ぐ。
早歩きで大通りに出て、事前に聞いていた色の車が路肩に停まっているのを見つけ、駆け寄った。
スモークガラス越しに、眼鏡をかけた夫の横顔を確認し、助手席のドアを開ける。
そして、パタン、と重いドアを閉め、外の喧騒を遮断した直後――。
シートベルトを引き出そうとした腕が掴まれ、有無を言わせず唇を塞がれた。
サロンではまだ若手の方である私は、いつもなら閉店後の片付けを担うところだが、特別に早上がりをもらっていた。
週末で休みこそ取れなかったものの、今日は――二回目の結婚記念日なのだ。
湿気が肌にまとわりつく、夜八時の都心。
先に店を出て待つ、ハルの元へ急ぐ。
早歩きで大通りに出て、事前に聞いていた色の車が路肩に停まっているのを見つけ、駆け寄った。
スモークガラス越しに、眼鏡をかけた夫の横顔を確認し、助手席のドアを開ける。
そして、パタン、と重いドアを閉め、外の喧騒を遮断した直後――。
シートベルトを引き出そうとした腕が掴まれ、有無を言わせず唇を塞がれた。



