借りた本を読み終えたのは、それから三日後だった。
最後のページを閉じても、物語の余韻が胸に残っている。
美紗樹は、ふと本に挟まれていた四つ葉のしおりを手に取った。
『この本を読んだ人が、今日少しだけ笑えますように。』
その一言が嬉しくて、何か返事を書きたくなった。
机の引き出しから、小さな便箋を取り出す。
何度も書き直して、ようやく言葉を綴った。
『おすすめしてくださって、ありがとうございました。
最後の場面で、思わず泣いてしまいました。
主人公が「大切な人には、ちゃんと想いを伝えよう」と決めたところが一番好きです。
川﨑先輩は、どの場面が好きですか?』
便箋を折りたたみ、四つ葉のしおりと一緒に本へ挟む。
返事がもらえるなんて思っていない。
ただ、「読んだよ」と伝えたかった。
翌日の昼休み。
美紗樹は少し緊張しながら図書室へ向かった。
「返却に来ました。」
カウンターには、蒼がいた。
「読み終わった?」
「はい。すごく面白かったです。」
蒼は笑顔で本を受け取り、貸出カードを確認する。
そのとき、美紗樹は小さな声で言った。
「あの……。」
「うん?」
「本の中に、お手紙を入れてあります。」
蒼は少し驚いたように目を丸くした。
「手紙?」
「感想を書いただけなので……時間があるときに読んでください。」
照れくさくなって、美紗樹は軽く頭を下げると図書室を後にした。
蒼は返却された本をそっと開く。
四つ葉のしおりと、小さな便箋。
一文字ずつ丁寧に書かれた感想を読み終えると、自然と笑みがこぼれた。
「……返事、書こうかな。」
静かな図書室で、小さな恋が、まだ誰にも気づかれないまま動き始めていた。
最後のページを閉じても、物語の余韻が胸に残っている。
美紗樹は、ふと本に挟まれていた四つ葉のしおりを手に取った。
『この本を読んだ人が、今日少しだけ笑えますように。』
その一言が嬉しくて、何か返事を書きたくなった。
机の引き出しから、小さな便箋を取り出す。
何度も書き直して、ようやく言葉を綴った。
『おすすめしてくださって、ありがとうございました。
最後の場面で、思わず泣いてしまいました。
主人公が「大切な人には、ちゃんと想いを伝えよう」と決めたところが一番好きです。
川﨑先輩は、どの場面が好きですか?』
便箋を折りたたみ、四つ葉のしおりと一緒に本へ挟む。
返事がもらえるなんて思っていない。
ただ、「読んだよ」と伝えたかった。
翌日の昼休み。
美紗樹は少し緊張しながら図書室へ向かった。
「返却に来ました。」
カウンターには、蒼がいた。
「読み終わった?」
「はい。すごく面白かったです。」
蒼は笑顔で本を受け取り、貸出カードを確認する。
そのとき、美紗樹は小さな声で言った。
「あの……。」
「うん?」
「本の中に、お手紙を入れてあります。」
蒼は少し驚いたように目を丸くした。
「手紙?」
「感想を書いただけなので……時間があるときに読んでください。」
照れくさくなって、美紗樹は軽く頭を下げると図書室を後にした。
蒼は返却された本をそっと開く。
四つ葉のしおりと、小さな便箋。
一文字ずつ丁寧に書かれた感想を読み終えると、自然と笑みがこぼれた。
「……返事、書こうかな。」
静かな図書室で、小さな恋が、まだ誰にも気づかれないまま動き始めていた。

