両思いだけど、片想い?

「……はぁ」
ファストフード店の窓際。
るるはストローでメロンソーダの氷をカチャカチャと鳴らしながら、今日何度目か分からないため息をついた。
「おいおい、そんなにため息つくと幸せが逃げるぞ。ただでさえお前、今ハッピーオーラゼロだけど」
目の前で、山盛りのフライドポテトを器用に口に放り込みながら呆れた声を出すのは、幼馴染の航平だ。
航平は幼稚園からの腐れ縁で、るるの最大の理解者。そして、俊太の高校時代からの「親友」でもあった。
「ハッピーオーラなんてあるわけないじゃん……。ねえ航平、聞いてよ。私、もう限界かもしれない」
「あ? 俊太と何かあったの?」
航平がポテトを食べる手を止め、怪訝そうに眉をひそめる。
「何もないの。何もなさすぎるの!」
るるは机に突っ伏した。
「付き合って3年だよ!?  なのに、未だに手すら繋いでくれないんだよ? こないだなんてさ、映画館でちょっと手が触れそうになっただけで、俊太、飛び上がって驚いて席から落ちそうになってた。……私、そんなに触られるの嫌なのかな」
ぽろぽろと、溜め込んでいた本音が涙と一緒に溢れそうになる。
「私のこと、本当に好きなのかな。ただの幼馴染の延長とか、断れなくて付き合ってるだけなんじゃ……って、最近毎晩考えちゃう。もう、両思いなのに、ずっと私だけが片想いしてるみたいで、寂しいよ……」
俯くるる。重苦しい空気が流れる――はずだった。
「…………は?」
頭上から聞こえたのは、航平の、信じられないものを見るような、完全に引いた声だった。