追放先で再会した初恋の男は、罪深い私を愛し続ける 〜断罪令嬢エリザベートの初恋回帰〜

そしてせめてもの抵抗をすべきと結論づけて小窓から出た。
手にはワインとストール。
それを握りしめる。

杞憂なら良い……ーー
壁を伝いそっと息を殺して覗く。
すると、やはりボラフ亭の女性が背中に刃物を突きつけられていた。

三人居る。刃物を突きつけるのは体躯の良い壮年の男、その背後に比較的若そうな者が一人。

身なりは辺境の村に馴染んだ装いだが足元は洒落た靴を履いているあたり、流れの人間を雇ったわけではなさそうだ。

「その人を解放しなさい」

言うと同時にストールを投げて、驚いた壮年の男の頭に向かって瓶を振り上げた。

瓶が割れ、男はよろけて尻餅をつく。
しかし頭を抑え唸っているが気絶するほどではない。
もう一人が倒れた男を心配している間にエリザベートは女性に向かって叫んだ。

「こっちへ!」

唖然としていた女性を促し、割れたワイン瓶を構えながら後退し小窓へ連れてゆく。

女性をなんとか先に平屋に押し込みエリザベートは安堵した。
小窓は男が入れるような大きさではない。

エリザベートも中へと急ごうとした。

しかし追いかけてきた二人が脚を掴み引っ張る。
身体は地面に叩きつけられ、意識はそこで失った。