追放先で再会した初恋の男は、罪深い私を愛し続ける 〜断罪令嬢エリザベートの初恋回帰〜

その日、エリザベートの元に訪れたのはロマとティアの二人だった。

この地に来てからベリルが不在なのはこれで二度目になる。

あれから数週間が過ぎて、毎日を共に過ごしており、ベリルはいろいろと理由をつけながらエリザベートの元で過ごす時間が増えていた。

そんな中で今回、「辺境伯の命令で別地区に調査しに行く事になる。三日ほど空ける」と言われた時は少し寂しさを感じた。

贅沢な環境に身を置きすぎたせいだろう。

その間にロマとティアが来てくれたことも喜ぶべきことなのに、早くベリルに会いたいと焦燥感に駆られている。

まだ二日目、明後日にはベリルがディート地区に帰ってくる。

「また来るねー!明日はドラゴンが出てくる絵本よんでね」
「追いかけっこもしようね、エリー!」

日が傾く前にロマとティアと別れ、大きく手を振って去ってゆく姿を見送った。

二人は外でよく遊び、それと同じぐらい文字に興味を持っていた。
最近では絵本を読み聞かせる傍ら、エリザベートは二人に字を教えることが増えている。

平屋の扉を閉め、鍵をかけたあと、羊皮紙を机に広げて羽ペンを取る。
これはベリルが譲ってくれたものだった。

字を書きたいとも言い出したロマとティアのために、文字が並んだ表を作ることにしたのだ。

それを見ながら地面に書いて単語を練習する予定だ。

『いつもありがとう、お仕事がんばってるねって書きたいの』

ベリルに手紙を書きたいと言う二人の願いを叶えてあげたい。
ベリルが冬生まれであった記憶が蘇り、それまでにロマとティアがあの一文だけでも自分で書けるようにさせてあげたい。

そんな事を考えていれば気持ちは浮き立つ。

しかし不意に、扉がノックされた。