追放先で再会した初恋の男は、罪深い私を愛し続ける 〜断罪令嬢エリザベートの初恋回帰〜

「理解したならさっさと行くぞ」

それ以上押し問答する気がないことを示すように言われ、エリザベートは静かに頷いた。

外は冬が近づく気配を感じながら二人は歩く。
その後は結局、同じ話題に触れることはなかった。

空には相変わらず鳥が一羽だけで飛んでいる。
きっと鳶だろう。少し大きいが鷲がこんなところを飛んでいるわけがないのだから。

ベリルはディート地区を網羅させるべくエリザベートを様々な場所へと連れ歩いた。

村自体の規模は小さい。
だが今後は結界を張る装置の要となる鉱石を採掘する事業で人の流入も増えるだろうとベリルは言っていた。

そして隣の地区と繋がる森については薬草が豊富だが無断で行けば逃亡と見なされるため、入る場合は声をかけるよう釘を刺される。
あとは水はどこから汲むべきかといった取りあえずの生活に関わる事が中心だった。

帰り道、エリザベートはその時の出来事を思い出し溜息を溢す。

案内の途中、料理屋らしき店から女性が出てきてすれ違い際にベリルに声をかけてきたのだ。