短編集〜甘々、逆ハー、無自覚、美少女、ヤンデレ、独占欲、クールいじめ、溺愛、嫉妬〜

  そんなことを考えているうちに、私は眠りについた。
 
 昔の夢だった。
 両親も、まだいた頃だった。
 
 どういうわけだが、伯母夫婦が亡くなって以降、両親は心を病んでいた。

 伯母夫婦の子供、つまりいとことよく遊んでいた。
 どんな風に、遊んでいたかなんて憶えていない。

 伯母夫婦は、私の母の姉だ。

 あれが一番に、幸せな時期だったかもしれない。

 この幸せが崩れたのは、伯母夫婦が、酔っ払い運転による交通事故で亡くなったという訃報が届いてから。
 この時の両親は、なぜか泣いていたのをかすかに憶えている。
 すぐにお葬式が行われていた。
 
 両親との間に会話がほとんどなくなり、
 そのために私と薫は、二人で遊ぶ機会が多くなった。

 今思えば、あの頃から共依存というのは、始まっていたんだと思う。
 
 去年ぐらいに、両親が宗教に入り始めた。
 神父様は
「これで、救われます」
 と、そればかりだった。

 だけど、両親は心を病んでしまった。

 私と薫だけが、取り残された。

「大丈夫です。
救われます」

 神父様は、これしか言わなかった。
 そんな神父様に、恐怖さえ覚えた。

「薫、私たちどうなっちゃうの?」
 
 ある時、不安を薫に打ち明けたことがあった。

「大丈夫だよ。
姉さんのことは、俺が守るから」

 その次の日、神父様は姿を現さなくなった。
 それどころか、宗教は壊滅していた。

 進級したころに、私はクラスから噂になった。
「あの宗教団体を殺したのは、高橋姉弟じゃないか」って。

 そんな話は、身に覚えがなかった。
 私は、何も知らない。
 
 両親が入っていた宗教団体で、連続殺人事件が起きていたなんて。