短編集〜甘々、逆ハー、無自覚、美少女、ヤンデレ、独占欲、クール、いじめ、溺愛、嫉妬〜

 私は4月1日生まれの早生まれだったため、
 3歳児クラスに通っていても、
 実際はまだ2歳だった。

 2歳で保育園に入園した私は、
 同じクラスの子どもたちと比べて体が小さく、
 言葉もうまく話せなかった。

 まだオムツをしていて、
 髪の毛もほとんど生えていなかったため、できないことが多く、
 周りから笑われることも少なくなかった。


 クラスの子どもたちはみんな私よりずっと大きく、
 身長は1メートル近くあった。
 私は、その高さにはまったく届かなかった。

「せんせー、
佐藤さんだけ、
ちっちゃい!」

 そんな声が聞こえるたびに、
 私は笑い者になった。

 母はシングルマザーだった。
父は私が生まれたときからおらず、
 戸籍にも名前はなかった。

 私は母と離れるのが嫌で、
 登園のたびによく泣いていた。
 そのため、
「マザコン」
「泣き虫」
 とからかわれるようになった。

 やがて、
 3歳児クラスの体の大きな子どもを中心としたグループに目をつけられ、
 私は保育園に居場所をなくしていった。

 しかし、当時の私は自分の気持ちをうまく言葉にすることができなかった。
 ただ、保育園へ行こうとすると泣いて嫌がることしかできなかった。

 3歳になると、
 私は保育園を退園し、
 幼稚園へ入園した。

 幼稚園の入園式の日。

 そこには保育園で私をいじめていた子どもたちはおらず、
 私はようやく自由になれたような気がした。

 しかし、
 その日のうちに悲劇が起きた。

 保育園時代に私をいじめていた子どもたちが、
 私の住んでいたマンションに火を放ったのだ。

 その火事で、
 母は命を落とした。

 私は、どうやって助かったのかを覚えていない。

 ただ、
 一つだけ、
 今でも耳から離れない言葉がある。

「佐藤せりお。
またいじめてやるから……。
どこまでも追いかけて」