追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

「……生きてるだけで十分だ」

誰に言うでもなく呟くと、小さく息を吐いた。

右腕に触れる。

黒い痣は、まだそこにある。

魔物の呪いとされているそれは、今も確かに彼の身体を蝕んでいた。

それでも。

以前よりも、少しだけ痛みが“遠い”気がした。

レオンは視線を戻す。

輪の中心で、エレノアがまた余計な一言を言って、

ミリアに突っ込まれている。

村人たちは笑っていた。

「……厄介な村だな」

それは、悪い意味ではなかった。