追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

「せっかく拾った人間が壊れたら困るだけ」

「……そういうことにしておく」

「そういうことよ」

横で見ていたミリアが、何度もうんうんと頷いていた。

「エレノアさん」

「何」

「今の翻訳していいですか?」

「しなくていいわ」

「『心配だから無茶しないで』です!」

「違う」

「『あなたに怪我してほしくない』!」

「違う!」

「『死んだら悲しい』!」

「全部違う!」

村人たちがくすくすと笑い始め、

レオンまで肩を震わせている。

……この村に来てから、

笑い声を聞くことが少しだけ増えた気がした。