追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

私はその言葉を意にも介さず靴を履く。

「それで?」

「……それだけだ」

「何を勘違いしているのか知らないけれど」

私は扉を開けた。

冷たい風が家の中へ吹き込む。

「私は元王女よ」

レオンが目を瞬かせる。

「今さら有名人が一人増えたところで、何も変わらないでしょう」

数秒固まり―――

それからレオンは吹き出した。

「……そういう考え方もあるのか」

「ええ」

「君は時々、とんでもないことを平然と言うな」

「褒め言葉として受け取っておくわね」

昨日言われた言葉を、そのまま返す。

レオンは苦笑した。

「一本取られたな」