追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

王太子が眉をひそめた。

「別に、とは?」

「言葉通りの意味です」

私は肩をすくめた。

「どうせ信じる気がないのでしょう?」

「……っ!」

「なら、何を言っても同じことよ」

ざわりと空気が揺れる。

私は知っている。

今この場で何を言っても無駄だ。

証人も証拠もすでに用意されている。

この茶番はずっと前に終わっていた。

今日行われているのは裁きではない。

単なる結果発表だ。

父である国王が重々しく口を開く。

「エレノア」

私は視線を向けた。

王の顔は疲れ切っていた。