追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

追放されたらしい貴族の家に、知らない男が住んでいるのだから。

一人の老婆が声をかけてきた。

「おや、旦那さんかい?」

ぶふっ。

男が盛大にむせた。

私は無表情のまま答える。

「違います」

「ありゃ、違うのかい?」

「ただの居候です」

「なるほどなぁ」

老婆はニヤニヤしている。

全然納得していない顔だった。

やがて老婆も去っていき、静寂が戻る。

男が咳払いをした。

「誤解されたな」

「そうね」

「困るか?」

私は少し考えた。