追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

「通常、その地域の生産量では不可能な数字です」

グラントは椅子にもたれ、静かに目を細めた。

「偶然か?」

「いえ」

即答だった。

「現地の証言では、“元第一王女が主導している”とのことです」

その言葉に、空気が一段冷えた。

グラントはしばらく何も言わなかった。

ただ、指先で机を軽く叩く。

コツ、コツ、と一定のリズム。

「……エレノアか」

低く呟く。

誰に向けたものでもない声だった。

「やはり........危険だな、あの女は。」

無言の部下を尻目に立ち上がる。

窓の外には王都の街並み。

栄華と秩序。

そして、“管理された安定”。

その全てを見下ろしながら、彼は静かに言った。