追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

商人は少し間を置く。

「この村の話だ」

空気が変わった。

村人がざわつく。

「話?」

「そうだ」

商人は周囲を見回した。

「最近、この辺りで妙に動きがあると聞いてな。」

「水路が直ったとか。

畑が広がったとか。保存食が出回っているとか」

彼はエレノアを見た。

「誰がやっている?」

一瞬の沈黙が降りて、エレノアは目を細めた。

「村全体よ」

その即答に商人は鼻で笑う。

「嘘が下手だな」

その瞬間だった。

「嘘じゃないわよ」

静かな声。