追放された自称悪役令嬢は落ちぶれた元騎士を拾って辺境に返り咲く

「“思ったより”ってなんだよ」

「いやいや、悪い意味じゃない」

商人は咳払いをした。

「話なら私が聞くわ」

エレノアが前へ出る。

空気が少しだけ変わる。

商人の視線が彼女に向いた瞬間、わずかに姿勢が改まった。

「あんたが?」

「この村の代表代理よ」

「代理?」

「正式な領主は不在なの。」

「なるほど……」

商人は一度頷き、そして値踏みするように彼女を見る。

「随分若いな」

「私もそう思うわ」

商人は一瞬だけ言葉に詰まる。

「それで、話って?」

「ええ」

エレノアは紙を取り出す。