「えっ?」
サヤカは、カナの視線を追うようにして、自分の右のほっぺに指先を当てた。
そこには、ぽつんと小さなふくらみがあった。
蚊に刺されたあとのような腫れ。だけど、触るとイヤにかたい。
百目リングは、自分の『まわり』にあるものを、すべて見せてくれる。
だけど、自分自身の姿は確認できない。
(これって……)
指先から伝わる不気味な感触に、サヤカの頭の中で悪い想像がふくらんでいく。
クラスメイトたちのおびえた視線が向いている先は、ほっぺだけではなかった。
おでこ、あご、首すじ。
そして、ほっぺに触れている手にも――。
サヤカは、無意識にその手を自分の顔の前にかかげた。
「ひっ……!」
悲鳴にすらならない声が、サヤカの口から漏れた。
手の皮膚の上に、無数の『小さな目玉』が散らばっていたのだ。
百目リングの目だ……。
黒目は、せわしなく周囲をうかがいギョロギョロと動いている。
「きゃあああああああっ!!」
サヤカの絶叫がひびき渡り、一気にパニックが巻き起こった。教室にいた全員がこちらを向いて、するどい視線がサヤカに突き刺さる。
サヤカには、クラスメイトと先生のおびえた顔が、はっきりと見えた。
360度すべてにひろがった恐怖と困惑が、脳内に流れ込んでくる。
(イヤだ、見たくない! 外さなきゃ、早く外さなきゃ……!)
呼吸が苦しくなり、サヤカはあわててリングを外そうと、長袖シャツの袖を乱暴にまくりあげた。
だが、手首にあの白い腕輪はなかった。
「なっ、なんで!? なんで!? ちがう……っ、ちがうのッ!!」
わけのわからない叫び声を上げると、サヤカは椅子をけとばして教室から逃げ出した。
サヤカは、カナの視線を追うようにして、自分の右のほっぺに指先を当てた。
そこには、ぽつんと小さなふくらみがあった。
蚊に刺されたあとのような腫れ。だけど、触るとイヤにかたい。
百目リングは、自分の『まわり』にあるものを、すべて見せてくれる。
だけど、自分自身の姿は確認できない。
(これって……)
指先から伝わる不気味な感触に、サヤカの頭の中で悪い想像がふくらんでいく。
クラスメイトたちのおびえた視線が向いている先は、ほっぺだけではなかった。
おでこ、あご、首すじ。
そして、ほっぺに触れている手にも――。
サヤカは、無意識にその手を自分の顔の前にかかげた。
「ひっ……!」
悲鳴にすらならない声が、サヤカの口から漏れた。
手の皮膚の上に、無数の『小さな目玉』が散らばっていたのだ。
百目リングの目だ……。
黒目は、せわしなく周囲をうかがいギョロギョロと動いている。
「きゃあああああああっ!!」
サヤカの絶叫がひびき渡り、一気にパニックが巻き起こった。教室にいた全員がこちらを向いて、するどい視線がサヤカに突き刺さる。
サヤカには、クラスメイトと先生のおびえた顔が、はっきりと見えた。
360度すべてにひろがった恐怖と困惑が、脳内に流れ込んでくる。
(イヤだ、見たくない! 外さなきゃ、早く外さなきゃ……!)
呼吸が苦しくなり、サヤカはあわててリングを外そうと、長袖シャツの袖を乱暴にまくりあげた。
だが、手首にあの白い腕輪はなかった。
「なっ、なんで!? なんで!? ちがう……っ、ちがうのッ!!」
わけのわからない叫び声を上げると、サヤカは椅子をけとばして教室から逃げ出した。


