深見の『ミ』に、名前の『ミミ』でミミミちゃんか。
「おもしろいアダ名だなぁ」
サヤカが感想を小声でもらすと、「そうでしょー。わたしも気に入ってるんだー。お姉さんの名前は?」と彼女はたずねた。
「えっと、わたしは秋元サヤカだよ。残念ながら、わたしは普通で。サヤカって呼びすてにされるか、男子なんかは秋元さんって呼ぶかなー」
「じゃあ、わたしはサヤカちゃんって呼ぼーっと」
ミミミちゃんはいったん笑顔になったが、すぐに眉間にしわを寄せた。
「それで、サヤカちゃんはどうしてジュースをにらんでたの? どんな恨みがあるのー? どんなイジワルをされちゃったのー?」
「ち、ちがうよ。ジュースをにらんでたわけじゃないの。ただ、ちょっと考えごとしてて、だから、こわい顔をしてたかもしれないけど」
「考えごとー?」
「うん。ちょっと、カ……。えっと、あのね……」
サヤカは口ごもった。
まさか初対面の年下の子に、『カンニングの方法を考えていた』なんて言えるわけがない。
「カ? カ、がどうしたのー?」
ミミミちゃんが首をかしげる。
カ、カ、カ……。サヤカは頭の中の辞書を高速でパラパラとめくる。
「カッコいい! そう、カッコいい男子がクラスにいてね。それで、その人のことを考えてたのよー」
我ながらとっさのわりに、いい言い訳をひねり出せたと思った。
しかし、ミミミちゃんの首はさらに深くかたむいてしまった。
「うーん、どうして、それで顔がこわくなっちゃうのかしらー?」
「あっ……。そ、それはえーっとね、あのー」
次々と質問されて、サヤカは追い詰められて、頭が真っ白になった。
口が勝手に動いて、先ほどまで考えていたよからぬ考えが言葉の端々ににじみ出てしまった。
「カッコいい男子がいるから、えっと、じ、自分の机に目を向けたままで、まわりの席を見れる方法がないかなって、あの、考えてて……」
しゃべったあと、マズい、意味不明なことを口走っちゃった。
カンニングするつもりだってバレて、けいべつされちゃう!
サヤカはそう心配した。
だが、予想に反してミミミちゃんはパッと明るい表情になった。
「なるほどー! わかったよー。授業中に先生やまわりのクラスメイトに気づかれないで、気になっている男子のことを見つめていたいんだねー!」
「……う、うん。そうそう、そうなの。恥ずかしいから他の人には言わないでね。ここだけのヒミツだよ」
「うん、もちろん!」と、ミミミちゃんは大きくうなずいた。
ヒミツの恋愛トークだと思いこんだせいか、少女の大きな瞳はより一層かがやいている。
「それならちょうどいいよー」と、ミミミちゃんは続けた。
「ちょ、ちょうどいい?」
今度はサヤカが首をかしげる番だった。
「うん。わたし、サヤカちゃんの悩みを解決できる、ちょうどいいモノを持ってるよー」
「おもしろいアダ名だなぁ」
サヤカが感想を小声でもらすと、「そうでしょー。わたしも気に入ってるんだー。お姉さんの名前は?」と彼女はたずねた。
「えっと、わたしは秋元サヤカだよ。残念ながら、わたしは普通で。サヤカって呼びすてにされるか、男子なんかは秋元さんって呼ぶかなー」
「じゃあ、わたしはサヤカちゃんって呼ぼーっと」
ミミミちゃんはいったん笑顔になったが、すぐに眉間にしわを寄せた。
「それで、サヤカちゃんはどうしてジュースをにらんでたの? どんな恨みがあるのー? どんなイジワルをされちゃったのー?」
「ち、ちがうよ。ジュースをにらんでたわけじゃないの。ただ、ちょっと考えごとしてて、だから、こわい顔をしてたかもしれないけど」
「考えごとー?」
「うん。ちょっと、カ……。えっと、あのね……」
サヤカは口ごもった。
まさか初対面の年下の子に、『カンニングの方法を考えていた』なんて言えるわけがない。
「カ? カ、がどうしたのー?」
ミミミちゃんが首をかしげる。
カ、カ、カ……。サヤカは頭の中の辞書を高速でパラパラとめくる。
「カッコいい! そう、カッコいい男子がクラスにいてね。それで、その人のことを考えてたのよー」
我ながらとっさのわりに、いい言い訳をひねり出せたと思った。
しかし、ミミミちゃんの首はさらに深くかたむいてしまった。
「うーん、どうして、それで顔がこわくなっちゃうのかしらー?」
「あっ……。そ、それはえーっとね、あのー」
次々と質問されて、サヤカは追い詰められて、頭が真っ白になった。
口が勝手に動いて、先ほどまで考えていたよからぬ考えが言葉の端々ににじみ出てしまった。
「カッコいい男子がいるから、えっと、じ、自分の机に目を向けたままで、まわりの席を見れる方法がないかなって、あの、考えてて……」
しゃべったあと、マズい、意味不明なことを口走っちゃった。
カンニングするつもりだってバレて、けいべつされちゃう!
サヤカはそう心配した。
だが、予想に反してミミミちゃんはパッと明るい表情になった。
「なるほどー! わかったよー。授業中に先生やまわりのクラスメイトに気づかれないで、気になっている男子のことを見つめていたいんだねー!」
「……う、うん。そうそう、そうなの。恥ずかしいから他の人には言わないでね。ここだけのヒミツだよ」
「うん、もちろん!」と、ミミミちゃんは大きくうなずいた。
ヒミツの恋愛トークだと思いこんだせいか、少女の大きな瞳はより一層かがやいている。
「それならちょうどいいよー」と、ミミミちゃんは続けた。
「ちょ、ちょうどいい?」
今度はサヤカが首をかしげる番だった。
「うん。わたし、サヤカちゃんの悩みを解決できる、ちょうどいいモノを持ってるよー」


