元いじめられっ子の悲劇

 こうしている間にも、町は崩れていく。
 どういうわけだが、
 見知らぬ女の人は私を抱きしめたり、
 崩れが落ち着いたら、
 あたりを見渡し、
 そのまま私を連れて、
 ひたすら走っていく。

 私には、その行動が理解できなかった。
 理解しようと、頭の回転がいかなかった方が正しい。

「大丈夫だよ、大丈夫だよ」

 この女の人は、同じ言葉を何回も繰り返した。

 次の瞬間、煙がモクモク出てきた。

「火事だ!」

 男の人の声がした。

「崩れの次は、火事!?」

「何がどうなっている?」

 町の人たちは、困惑している様子だった。