結菜にとって、環奈は文字通り「心友」だ。
お互いに辛いときは真っ先に駆けつけ、どんな秘密も共有してきた。
だからこそ、半年前に環奈が同級生の大和と別れたとき、結菜も自分のことのように一緒に泣いた。
「もう大和のことは吹っ切れた!今はただの友達!」
そう言って笑う環奈の言葉を、結菜は信じていた。
だから、放課後の図書室で、大和から呼び止められたときは耳を疑った。
「結菜。これ、ずっと言いたかったんだけど……俺、結菜のことが好きだ」
頭の中が真っ白になった。大和の真剣な眼差しが、まっすぐに結菜を捉えている。
「え……?だって大和は、環奈の……」
「環奈と付き合ってた時から、実は結菜の、周りをよく見て自分のことを後回しにするところが気になってた。環奈とはちゃんと話し合って別れたし、あいつにも未練はない。俺と、付き合ってほしい」
大和は学校でもモテる、誠実で素敵な人だ。
正直、付き合っている時の環奈が羨ましいと思ったことがなかったと言えば嘘になる。
大和からの真っ直ぐな告白は、結菜の胸を激しく揺さぶった。
でも、彼は「心友の元カレ」なのだ。
その夜、結菜はたまらず環奈を夜の公園に呼び出した。
罪悪感で押しつぶされそうで、隠し通すなんてできなかった。
「環奈、ごめん……。今日、大和に告白された」
環奈は一瞬、目を見開いて固まった。
公園の街灯の下、沈黙が痛いほど流れる。やがて環奈は、ふっと優しく微笑んだ。
「そっか……。いいじゃん、大和、本当に良い奴だよ? 私はもう過去のことだし、気にしてないから。結菜が幸せになってよ」
環奈は結菜の背中を押してくれた。
だけど、結菜は見逃さなかった。環奈の引きつった笑顔と、ギュッと握りしめられたスカートの裾を。
『気にしてない』なんて、心友の嘘に決まっている。
「ありがとう、環奈……」
結菜は笑顔を返しながら、自分の心の中で大和への気持ちにブレーキをかけた。
大和のことは魅力的だけど、それ以上に、私は環奈を傷つけたくない。
友情と恋愛。
天秤にかけることすら汚らわしいはずなのに、大和のまっすぐな言葉が、結菜の頭からどうしても離れなかった。
お互いに辛いときは真っ先に駆けつけ、どんな秘密も共有してきた。
だからこそ、半年前に環奈が同級生の大和と別れたとき、結菜も自分のことのように一緒に泣いた。
「もう大和のことは吹っ切れた!今はただの友達!」
そう言って笑う環奈の言葉を、結菜は信じていた。
だから、放課後の図書室で、大和から呼び止められたときは耳を疑った。
「結菜。これ、ずっと言いたかったんだけど……俺、結菜のことが好きだ」
頭の中が真っ白になった。大和の真剣な眼差しが、まっすぐに結菜を捉えている。
「え……?だって大和は、環奈の……」
「環奈と付き合ってた時から、実は結菜の、周りをよく見て自分のことを後回しにするところが気になってた。環奈とはちゃんと話し合って別れたし、あいつにも未練はない。俺と、付き合ってほしい」
大和は学校でもモテる、誠実で素敵な人だ。
正直、付き合っている時の環奈が羨ましいと思ったことがなかったと言えば嘘になる。
大和からの真っ直ぐな告白は、結菜の胸を激しく揺さぶった。
でも、彼は「心友の元カレ」なのだ。
その夜、結菜はたまらず環奈を夜の公園に呼び出した。
罪悪感で押しつぶされそうで、隠し通すなんてできなかった。
「環奈、ごめん……。今日、大和に告白された」
環奈は一瞬、目を見開いて固まった。
公園の街灯の下、沈黙が痛いほど流れる。やがて環奈は、ふっと優しく微笑んだ。
「そっか……。いいじゃん、大和、本当に良い奴だよ? 私はもう過去のことだし、気にしてないから。結菜が幸せになってよ」
環奈は結菜の背中を押してくれた。
だけど、結菜は見逃さなかった。環奈の引きつった笑顔と、ギュッと握りしめられたスカートの裾を。
『気にしてない』なんて、心友の嘘に決まっている。
「ありがとう、環奈……」
結菜は笑顔を返しながら、自分の心の中で大和への気持ちにブレーキをかけた。
大和のことは魅力的だけど、それ以上に、私は環奈を傷つけたくない。
友情と恋愛。
天秤にかけることすら汚らわしいはずなのに、大和のまっすぐな言葉が、結菜の頭からどうしても離れなかった。



