居たいけど、居たくないから。

「瑞稀!おはようっ!」


「……おはよ、明結」


暖かい風が吹き抜ける朝、今日もいつも通り、わたしは大好きな幼馴染と登校する。


わたしの名前は栩野(とちの) 明結(あゆ)


今わたしの隣を歩く男の子が、馬酔木(あしび) 瑞稀(みずき)


中2の春。


クラスは離れたけど、放課後と朝はいつも一緒に登下校。


………瑞稀は乗り気じゃないみたいだけど。


だからこそ、瑞稀にわたしが想いを寄せているのは、絶対に言えない。


だって、この関係が崩れるのは絶対に避けたいから。


でも、わたしは焦ってる。


だって……


いや、やっぱりこのことは伏せておこう。


ふと、瑞稀にちらりと視線を移す。


すらっと高い鼻。


高身長に、サラサラなセットされていない無造作な髪の毛。


それが、逆に女の子を惹きつける。


その中に、わたしもいる。


くっきりとしたシャープな骨格に、綺麗な肌。完全無欠の端正なお顔。


「なに見てんの」


「いや、かっこいいな、ってさ」


「は?なにそれ」


オマケに超超無気質なクール系男子。


態度はいっつも冷たくて、おまけに毒舌だなんて。


告白してきた女の子たちは、みんな泣いて帰っているとかなんとか……


その時、だった。