このクズを誰にも渡したくない

「奏斗!これはっ・・・・・・」

「平能、ちょっと待て!」

俺が一言発すると二人が大慌てで俺の言葉の続きを阻止する。

「俺、染樹がそんな奴だとは思わなかった・・・・・・」

俺がそう言うと二人は顔を見合わせた途端弾かれたように顔を背ける。

「奏斗ぉ・・・・・・」

泣き目で清水が俺を呼ぶ。

「はっ、ちょっおまっ・・・・・・!」

焦ったように清水の肩をガシッとつかむ染樹。

「俺何もしてねぇって!」

本当に焦った顔で俺を見る染樹。

その様子に俺は大爆笑した。

「おまっ・・・・・・焦りすぎ!おもろっ・・・・・・」

俺が腹を抱えると清水も笑い出す。

「ごめんごめんっあまりにも染樹くんが面白くってっ・・・・・・」

笑いながら言う清水。

染樹“くん”。

こんな空気でもまだ清水の記憶が戻っていないと分かる。

「奏斗?」