このクズを誰にも渡したくない

俺と佐々木は急いで清水を追いかける。

「飛彩、大丈夫・・・・・・?」

追いつくと、佐々木は歩きながら清水の肩に手を乗せる。

その瞬間、清水は足を止めた。

「・・・・・・ねぇ、理」

「っ・・・・・・」

清水が佐々木の名を呼ぶと、佐々木は顔を強張らせる。

「いつまで、雪吹に嘘つかなきゃいけないの・・・・・・?何で私はあいつのこと好きって認識になってるの?」

「それ、は・・・・・・」

さっきの男のように口を動かそうにも動かない佐々木。

「理、先帰ってて。染樹と話するから」

「・・・・・・」

清水に言われ、佐々木は早足で先に帰って行った。

「し「染樹」

俺が清水の名前を呼ぼうとすると、悲しそうな目で清水が俺を見る。

「あいつ、熱海(あたみ)雪吹っていうの」

そう言いながら清水は足を進める。

それに合わせて俺も歩き出す。

「中学の同級生で、あいつのこと私が好きって噂が流れて。それの元凶は雪吹なんだけど・・・・・・」