このクズを誰にも渡したくない

*  *  *

雪吹(いぶき)・・・・・・?」

俺と佐々木、清水と帰ろうと校門を出ると清水がそう言って立ち止まる。

「飛彩っ・・・・・・!」

そんな声が聞こえると校門の影から男が出てきた。

「来ないで!!」

佐々木が走り出したと思えば男と清水の間に立って叫ぶ。

佐々木の声に男はビクッと震え、立ち止まる。

「もう、あんたは飛彩に近付かないで」

今までに見たことのないような怒りに満ちた眼で男を睨む佐々木。

「理、いい。私が話す」

そう言って清水は佐々木の横を通る。

「雪吹」

「なぁ、飛彩・・・・・・俺、俺っ・・・・・・」

何か言いた気に口を動かす男を清水も今までに見たことのないような冷たい表情で見る。

「私は、もう雪吹に構いたくない。一緒にいたら辛いんだよ」

涙が溜まった清水の目は日光に反射した。

「雪吹のこと、好きだったかもしれない。けど、無理なの」

清水はそう言い、男の横を通り過ぎて家の方角に早足で歩く。