このクズを誰にも渡したくない

清水の寝言に俺は苛立ちを覚える。

寝言で男の名前が出るなんて思わなかった。

「・・・・・・誰だよ」

俺はそう呟いてから保健室を出る。

・・・・・・誰だよ・・・・・・。

『いぶき』と確かに清水は言った。

俺は教室に急ぐ。

「佐々木」

俺は教室に入るなり佐々木を呼ぶ。

佐々木は直ぐに歩いて近付く。

「・・・・・・何」

「清水の知り合いで『いぶき』って奴いるか?」

俺の質問に佐々木は目を見開く。

「・・・・・・いや、知らないけど?」

嘘だな。

一目で分かった。

「じゃーね」

そう言って佐々木はそそくさと教室を出ていった。

俺に言えないような奴、か。