綺羅は少し困ったように笑う。


綺羅「そんなに心配しなくても。」


星那「する。」


間髪入れず返ってきた言葉に、綺羅は目を丸くした。

星那自身も少しだけ驚いたように口を閉じる。

言うつもりじゃなかった。

自然に出てしまった。

倉庫が静まり返る。

那瑠はにやりと笑い、綾人の腕を軽く小突いた。


那瑠「珍しい。」


綾人「あぁ。」


真尋「星那がそこまで言うなんて。」


真尋も少し意外そうに星那を見る。

星那は小さく視線を逸らした。


星那「……無理して倒れられると面倒だから。」


照れ隠しだった。

その言い訳に那瑠が吹き出す。


那瑠「絶対それだけじゃねぇだろ。」


星那「うるさい。」


ぶっきらぼうに返す。

そのやり取りを見ていた綺羅は、小さく笑ってしまう。

昨日まで「怖い暴走族」だと思っていた人達。

なのに今は、不思議なくらい居心地が悪くなかった。

そして、その中心にはいつも星那がいた。