翌朝。

窓から差し込む柔らかな光で目が覚めた。

昨日は結局、真央に押し切られる形で倉庫へ泊まることになった。

ソファからゆっくり身体を起こし、小さく息を吐く。

見慣れない景色。

だけど昨日ほどの緊張はなかった。


綺羅「……。」


辺りを見回すと、倉庫には誰もいない。

静かな空間に時計の音だけが響いていた。

少しだけ安心したような、少しだけ寂しいような。

そんな気持ちでソファから立ち上がる。

その時、倉庫の奥から小さな物音が聞こえた。

視線を向けると、小さなキッチンのような場所で誰かがお湯を沸かしている。

星那だった。


綺羅「あ……。」


思わず声が漏れる。

星那は振り返ると、眠そうな目のまま軽く手を上げた。


星那「おはよ。」


まるで昨日の出来事なんて何もなかったかのような、いつも通りの声だった。