綺羅「……。」


その視線から逃げるように目を逸らす。

昨日もそうだった。

星那だけは、暴れていた自分を止めた。

どうして止められたのか。

どうしてあんなに落ち着いた声だったのか。

思い出そうとしても分からない。

星那は壁にもたれたまま、小さく息を吐く。


星那「無理する人、嫌い。」


突然の一言だった。


綺羅「……え。」


星那「一人で抱え込む人も。」


倉庫が静まり返る。

那瑠が思わず星那を見る。

綾人も少し驚いた顔をした。

星那がこんなに続けて話すのは珍しかった。


星那「だから今日は帰さない。」


綺羅は何も言い返せない。

その言葉には命令じゃなく、本気の心配が滲んでいた。