綺羅は俯いたまま拳を握り締める。

帰りたい。

それなのに真央は帰してくれない。

倉庫の中には重たい沈黙が流れていた。

その空気を破ったのは、今まで黙っていた星那だった。


星那「今日は帰らない方がいい。」


静かな声だった。

綺羅はゆっくり顔を上げる。


綺羅「……なんで。」


星那「また倒れる。」


短い言葉。

だけど妙に説得力があった。


綺羅「もう平気。」


星那「平気じゃない。」


すぐに返ってくる。

綺羅は言葉を失った。

真央でもない。

真尋でもない。

紫月でもない。

星那だけが、綺羅の目を真っ直ぐ見ていた。