自己紹介が終わると、部屋は少しだけ落ち着いた空気に包まれた。
綺羅はソファから立ち上がり、制服の皺を軽く払う。
綺羅「……もう帰る。」
そう言うと出口へ向かって歩き出した。
那瑠「え、もう?」
綾人「昨日倒れたばっかだぞ。」
綺羅「大丈夫。」
立ち止まることなく答える。
綺羅「これ以上、迷惑掛けられないし。」
ここは煌月の居場所だ。
私みたいな部外者が長居する場所じゃない。
扉へ手を掛けた、その時だった。
ガチャッ。
向こう側からゆっくり扉が開く。
現れた人物を見た瞬間、綺羅の目が少しだけ見開かれる。
綺羅「……真央。」
その声には、昨日まで誰にも見せなかった安堵が滲んでいた。
一方、真央は綺羅を見つけると小さく笑い、扉にもたれながら静かに口を開く。
真央「帰すと思うか?」
その一言に、綺羅は小さく眉をひそめた。



