部屋へ入ってきたのは四人の男だった。
先頭には、転入初日に少しだけ話した黒髪の男。
その後ろには、昨日頭から血を流していた男。
さらに二人の見覚えのある男が続く。
四人の視線が一斉に私へ向いた。
思わず身体が強張る。
学校では見掛けたけど名前も知らないしどう接すればいいのかも分からない。
そんな私とは対照的に、頭へ包帯を巻いた男がふっと笑った。
真尋「起きたか。」
その笑顔を見た瞬間、昨日の光景が頭をよぎる。
血。
倒れる姿。
私は反射的に立ち上がった。
綺羅「……怪我。」
思わずその男へ近付く。
綺羅「もう、大丈夫なの。」
心配そうに見つめる私に、その男は少し驚いたように目を丸くしたあと、小さく笑った。
真尋「あぁ。もう平気だ」
その一言を聞いて、胸の奥が少しだけ軽くなる。
だけど部屋の空気は、不思議そうな静けさに包まれていた。
四人はまるで、「どうして何も覚えていないんだ」と言いたげな表情で私を見つめていた。



