重たい瞼をゆっくりと開く。

最初に目に入ったのは、見慣れない天井だった。

古びた照明にコンクリートの壁。

微かに煙草の匂いが残る空気。

私はゆっくりと身体を起こす。


綺羅「……ここどこ。」


頭がぼんやりする。

昨日の記憶を辿ろうとしても、途中から何も思い出せない。

学校で他校の人達が乗り込んできたこと。

血を流して倒れた男の姿。

そこまでは覚えている。

だけど、その後が真っ白だった。


綺羅「……。」


小さく額へ手を当てる。

頭が少し痛い。

その時、不意に静かな声が聞こえた。


星那「起きた。」


声のした方を見ると、壁にもたれ掛かって座る星那と目が合う。


綺羅「……星那。」


知っている顔を見て、少しだけ肩の力が抜けた。

だけど次の瞬間、周囲を見回して息を呑む。


綺羅「ここ……。」


星那「煌月の倉庫。」


その一言に、綺羅の動きが止まった。


綺羅「……は?」


思わず聞き返す。


綺羅「なんで私が、煌月の倉庫にいるの。」