真央は静かに立ち上がる。


真央「今日はゆっくり休ませろ。」


紫月「あぁ。」


真央は扉へ向かって歩き出す。

その途中で足を止め、振り返らずに口を開いた。


真央「一つだけおしえとく。」


倉庫の全員が真央を見る。


真央「綺羅は敵じゃない。昔から人を守るためにしか拳を振るわない」



その言葉だけ残し、真央は倉庫を後にした。

静かに閉まる扉。

残された煌月の五人は、それぞれ眠る綺羅へ視線を向ける。

誰一人、もう「ただの転校生」だとは思っていなかった。

真尋は眠る綺羅の横顔を見つめ、小さく呟く。


真尋「……お前、一体何を抱えて生きてきたんだ。」


答えは返ってこない。

綺羅は静かな寝息を立てたまま、小さく真尋の服を握り締めていた。