真央「普通なら無理だ。」


その一言に、その場の全員が真央を見る。


真央「一度理性が切れた綺羅は、誰にも止められない。」


那瑠「……。」


綾人「そんなにか。」


真央は静かに頷いた。


真央「止めようとすれば、自分まで傷付く。暴れた綺羅を昔1度だけ見たことがある」


その声には、どこか苦い記憶が滲んでいた。

真央はもう一度星那を見る。


真央「でも綺羅は、お前の声だけは聞こえた。」


星那は少しだけ首を傾げる。


星那「……たまたまだよ。」


真央は小さく笑って首を横に振った。


真央「それでも十分だ。」


そう言って眠る綺羅へ視線を落とす。


真央「この子は昔から、人の声を聞かなくなる。だから、今日お前がとめられたことには意味がある」


その言葉に、紫月は静かに目を細めた。

昼間の戦い。

綺羅の動き。

そして今の真央の言葉。

胸の中で散らばっていた違和感が、一つの線になり始めていた。