倉庫の中には静かな寝息だけが響いていた。

綺羅は真尋の胸へ顔を埋めたまま、安心しきったように眠っている。

真尋は動くに動けず、小さくため息をついた。


真尋「……どうすりゃいいんだよ。」


困ったように呟く。

腕をほどこうとしても、その度に綺羅の指が服をぎゅっと掴み直した。


綺羅「……。」


小さく寝息を立てながら、さらに身体を預けてくる。


真尋「……おい。」


耳まで赤くなりながら困り果てる真尋を見て、那瑠が吹き出した。


那瑠「真尋、顔真っ赤。」


真尋「うるせぇ。」


綾人「まぁ、それは照れる。」


真尋「だから違ぇって。」


那瑠「昼は抱き締められて、夜は抱き付かれて寝られて。」


綾人「羨ましいな。」


真尋「羨ましくねぇよ!」


思わず声を荒げる。

その反応に那瑠と綾人が笑い、張り詰めていた空気が少しだけ和らいだ。

そんな中、紫月だけは笑わなかった。

腕を組み、真尋へ抱き付いたまま眠る綺羅を静かに見つめている。