「学校来てくれてありがとな」
不意にそう言われて少しだけ目を見開いた。真央が真面目な顔をするのは珍しい。
何度も断ったし何度も追い返した。それでもこの人は諦めなかった。
だから来ただけだ。
本当にそれだけ。
綺羅「別に」
そう返すのが精一杯だった。
真央はそれ以上何も言わず、近くに置いてあった紙袋を手に取った。
『ほら』と差し出されたそれを受け取る。
中には綺麗に畳まれた月ヶ瀬学園の制服が入っていた。
黒を基調としたブレザーに白のカッターシャツ、チェック柄のネクタイに銀色の校章。
真央「更衣室使え」
私は黙って頷き着替えるために制服を抱えたまま更衣室へ向かった。



