「琉羽!!」


叫び声が倉庫中に響く。

綺羅は涙を流しながら後ずさる。

焦点の合わない瞳は、誰一人見ていなかった。


那瑠「お、おい……。」


綾人「これ……。」


誰も動けない。

どうしていいのか分からなかった。

真尋だけが一歩前へ出る。


真尋「綺羅。」


呼び掛けても反応はない。


綺羅「嫌……お願い……」


震える声が痛々しい。

真尋はゆっくり近付く。

驚かせないように怯えさせないように。

綺羅は壁際まで下がり、小さく身体を丸めた。

まるで何かから必死に逃げる子どものようだった。

真尋はその前で静かに膝をつく。


真尋「もう大丈夫。」


優しく声を掛ける。

それでも綺羅は首を振るだけだった。


綺羅「守れなかった……私が……」


涙が止まらない。

真尋は小さく息を吸い、ゆっくり両腕を伸ばした。